■ 後立山連峰縦走 −白馬大雪渓から針ノ木雪渓へ−2003年8月1日夜-5日(前夜発3泊4日) 中村み(記録) 中村お 山をはじめて結構な年月になるのに夏冬通して白馬方面の山へ今まで行った事がなく、相方は白馬や鹿島槍の雪稜は幾度となく経験しているものの、雪のない時期は唐松のみという。そこで去年の裏銀座縦走の続きとしてその先の山を歩いてみたいこともあり、なかなか梅雨の明けない今年の夏の貴重な晴れ間をついて縦走してみる事にした。 【8月2日】晴のちガス 帰りの車の回収を考え八方に駐車。朝タクシーに相乗りして猿倉に入ると、小さなターミナルの大混雑は登山道まで続いている。その数、槍や穂高の比ではない。噂には聞いていたが、こんなに登山者のいる山は初めてだ。白馬尻から見上げると、6月に発生した土石流で汚れた雪渓の上に、蟻んこのような行列が出来ている。 雪渓は沢山の人に踏まれてしっかり足場がついているが、念の為アイゼンをつける。左手に杓子岳の岩峰を見ながら、快調に高度を稼いでいると、いつの間にか当たりがガスに覆われてしまう。シロウマタンポポ咲き乱れる葱平で雪渓歩きを終えると、ザックを降ろす場もないほど人で埋め尽くされているので休憩もそこそこに出発。しかしここの登りは結構斜度がきつく、避難小屋の上にある水場に着く頃にはバテバテ。冷たい水で喉を潤し稜線に現れたカモシカを見ながらお花畑にをしばし鑑賞。登山道にはきっちりとロープが張られ、自然保護監視員が随所で見まわるだけあって、ここのお花畑は種類といい規模といいとても素晴らしい。 村営頂上宿舎にザックをデポして、巨大な山のホテルとも言うべき白馬山荘横を通り白馬岳をピストン。途中コマクサもちらほらと咲いている。景色が良ければ展望レストランでコーヒーでも飲みたかったが、先を急ぐ。夜行疲れのせいか、ピッチがあがらず、折角だから杓子岳にも登ってなんていっても、一歩が足の幅しかあがらない。相方に尻をたたかれ、コースタイムより大分遅れ天狗山荘に到着した時には5時をまわっていた。この天狗山荘は雰囲気が良く、水場も傍にありイチ押し。
【8月3日】晴 不帰という名前にちょっと緊張しながら出発。しかしルートは整備され、岩場にはしっかり鎖が付いており何も問題なかった。また心配していた渋滞もなくすんなり通過。しかし雨の日などは滑りやすく大変かもしれない。途中二峰は巻き道となっていた。唐松岳では八方尾根からの続々と登ってくる登山者と合流。唐松岳頂上山荘は大変な賑わいだ。今日は五竜山荘のお花の隣りで幕営。水1L100円。
【8月4日】晴のちガス モルゲンロートに輝く山肌を見ながら五竜岳へ。天候に恵まれ山頂からは鹿島槍の双耳峰が良く見える。そしてその先には懐かしの槍、穂高、黒部五郎、笠ヶ岳までも。振り返れ白馬岳から歩いてきた峰々が遥か彼方に続いている。このアップダウンをよく越えてきたものだ。断崖にへばりつくキレット小屋を超えると八峰キレット。細く入り組んだ断崖絶壁の谷を梯子で渡る時など、まるでアドベンチャー映画のようでスリル満点。鹿島槍ケ岳からはこれから向かう冷池山荘、種池山荘が良く見える。しかし北峰から南峰へ移動するちょっとの間に長野側からお決まりのガスが沸きあがり、ちょうど稜線境に左手には何も見えなくなってしまった。また悔しい事に爺ケ岳に登ったときだけ山頂にガスがかかり、種池に到着すると晴れた。種池山荘の生ビール900円。水1L150円。幕営地はきれいに整地されているが、テン場が狭いため隣りのテントの話し声がうるさくて睡眠不足気味。
【8月5日】曇時々雨 今日は念願の黒部ダムを見る日だ。黒部湖岸道から見上げた針ノ木岳から、今度は黒部ダムを見下ろしてみたい。白馬岳方面から見えていた剣岳もかなり近くに見えるようになり、その山姿もだいぶ変わって長次郎谷の雪渓が良く見える。左手には針ノ木岳が近づいてくるし、お花畑のパノラマロードとあって快適だ。途中にあるこじんまりとした綺麗な新越山荘で、ジュースを買うとお菓子をくれた。と、みるみるうちに天気が悪くなり、ポツリポツリと来たかと思うザーっと雨。パノラマロードもすっかり乳白色のもやロードになってしまった。 スバリ岳直下のザレ場にはコマクサが群生している。針ノ木岳に到着してもガスで何も見えない。あきらめて下山しようかと思った瞬間ちょっとだけガスが晴れた。こっちこっち!急いで走ると眼下に黒部ダムが見える!ちょうど白い遊覧船の通過する向こう岸に赤い屋根の平ノ小屋が一瞬姿をあらわした。そう去年は平の渡しにもお世話になったし、あの針ノ木谷からも登ってきたな。去年歩いた読売新道や、裏銀座に思いをはせながら、お花畑のカールを針ノ木小屋へ向かった。
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