ホームページへリンク Home山行記録(最近)2007年山行報告

2007年厳冬期 北海道の山巡り

【期  日】

2007年1月30日(火)〜2月10日(土)

【メンバー】

yuki


1月30日(火) 札幌岳

 札幌岳は、札幌近郊の山としては標高も高く、『札幌』という街の名が付いていることもあり、何時かは登ってみたいと気になっていた。昨年の冬も登頂を試みたのだが、降雪続きでスキーを使っても膝上まで潜るラッセルとなり、冷水小屋までしか行けず、登頂はできなかった。そこで今年も行ってみることにしたのだが……。

 前夜のニュースでは、札幌でこの冬一番の積雪とか、千歳空港は雪のため全便欠航などと報じていた。また今年も敗退か?という思いで朝を迎える。今は降雪も無く、曇りながら天候は安定しているようだ。冷水沢登山口へ行ってみると、先週末のものと思われるスキーの跡が微かに残っていた。全くの新雪に踏み込むとけっこう潜るが、踏み跡を辿るとそれ程でもない。行けるかな?

 冷水小屋まで夏道に沿って行く。道は谷の中を通っているが、標高720m辺りまでは幅広く、あまり谷を意識しない。その後谷は狭まり、しばらくして冷水小屋を見る。ここを過ぎると、積雪期のルートは幾つかあるようだが、今回は右側の谷へ進む。この辺り、雪崩には注意したいところだ。左に枝沢を分けると谷は更に狭まり、傾斜も強くなるが、それも一時、じきに谷はまた開けてくる。台地状の尾根に出れば、山頂まで標高差150mほど。山頂では、あまり視界が得られなかったが、風は無く、食事を取りながら大休止した。

 下りは往路を戻る。まず緩やかで広大な雪原台地に、大きな弧を描く。雪は軽く、スピードが乗ってくると、とても爽快。谷へ向うと傾斜も出てきて、谷底へ降りるまで滑降が楽しめた。冷水小屋で休みをとり、再び滑降。狭い谷の中はルートが限られ、開けてからも傾斜は緩いので、多くは往きのトレースに乗って、登山口まで滑り降りる。

2月 1日(木) 有明山

 初めて北見峠付近を訪れたのは、チトカニウシ山へ登ろうとしたときだった。北見峠の北方にあるチトカニウシ山は、古くからスキーで登る山として親しまれ、知られている。次に目にとまったのは、北見峠の南方にある天狗岳。麓に広がる北大雪スキー場は、当時営業を休止しており、誰も滑っていないその開かれたコースから、往復してみようと考えた。そして、そのとき隣の有明山の存在に気がついた。この山の北斜面は実にスキー滑降向きではないか。

 アプローチは、車道が川を渡る橋のたもとから。林道が川に沿って延びている。これを辿れば、有明山北斜面の末端に導かれる。下部は比較的細い木が多く生えているが、滑りの障害になるほどではない。やがて太い針葉樹の疎林となる。ひたすら登り続けると、標高1460mで台地状の所にでる。周囲の木も低木だけとなり、視界が良い。あとは、有明山まで展望を楽しみながら、緩い尾根を行くだけだ。山頂からは、北にチトカニウシ山、南西方向にはニセイカウシュッペ山の向こうに、遠く大雪の山々も見渡せた。

 下りでは、標高1460mの台地まで雪は堅めで傾斜も緩いので、適当に流す。台地から北斜面へ滑り込むと、雪質は良好なパウダーとなり、傾斜も程よく、楽しい滑降が続く。最後の林道は、スキーで滑っていくには、やや傾斜が足りないようだ。

2月 3日(土) 藻琴山

 屈斜路湖は、湖岸に何箇所か温泉の湧く所があって、私のお気に入りの場所のひとつ。機会があれば、立ち寄っている。その温泉から眺めていたのが藻琴山。山頂からの展望は抜群で、東斜面は手軽なスキーコースになっている。

 藻琴山の中腹を通る車道は、夜間通行止めになっていた。ゲート前で開通を待っていると、他にもスキーを積んだ車が何台かやってきた。ゲートが開くと、皆一斉に走り出す。648m標高点付近に車を置き、山腹を適当に登りだす。この斜面は、障害物も無く広々としているが、風で磨かれるためか雪は堅め。868m標高点から山頂直下までは、細い尾根が続く。

 今日は快晴。山頂からは、眼下に広がる屈斜路湖をはじめ、摩周、阿寒、オホーツク海、斜里から知床と、素晴らしい展望に恵まれた。

 滑降は、東側の谷にルートをとる。山頂から北へ延びる尾根を少し行くと、右側は谷の源頭部。一旦150mほど滑り込んで、今滑った斜面を登り返す。終了点まであまり距離が無いので、多くの人が同様に登り返して楽しんでいる。次は谷の左岸に延びる尾根を、853m標高点付近まで行ってから、谷底へ向って急斜面を滑ってみた。あとは、谷の中を滑って行けば車道にでる。

2月 5日(月) 知床岳

 知床岳。知床半島の末端にある山として、その魅力は充分であろう。厳冬期となれば、さらに気象条件、アプローチは困難になる。昨年も登頂を試みているが、悪天のため未遂に終わっていた。今年こそはの思いで、今回最も重点を置いた山である。ここまで、各地の山を巡りながらも、良い気象条件のときにこの山へ登れるよう、行程を調整してきた。昨日は、羅臼の町中でも歩くのが困難なほどの吹雪であったが、今日は晴れて穏やかになるとの予報だ。

 少ない好天を生かすため、日帰りで登頂を目指す。まだ夜が明けないうちに相泊を出発する。懐電の明かりを頼りに、波打ち際を進む。海岸からのアプローチは、スキーを使った山行では、かなり珍しいのではないだろうか。暗い中、カモイウンベ川左岸台地へ上がる所も問題なく通過。台地を行く途中で夜が明けた。

 標高170mカモイウンベ川二俣から、中間尾根を登っている辺りで、正面に主稜線が見えてくる。だんだん雲が多くなってきているのが気がかりだ。雪は昨年より少なく、表面が堅い。滑降にはあまり適さないが、ラッセルは楽で行程も捗る。474m標高点辺りで尾根をはずれ、真西へ向う。昨年は、そのまま主稜線の鞍部にでたが、今回は1062m標高点に突き上げる谷にルートをとる。この雪の状態では、雪崩の心配はないと判断。谷の上部はアイスバーン状で、クトーが役に立った。

 標高1000mを越えると傾斜は緩み、台地状となる。今は雲が頭上を覆い、雲低すれすれ。「また敗退」の思いを抱きながら、予報に望みをかけて山頂を目指す。雲に視界を奪われ、紛らわしいピークに騙されながらも、夏にコタキ川を遡って訪れたときの記憶を頼りに、なんとか頂上に立つ。

 雲の中で展望は無し……が、にわかに雲が切れ、頭上に青空が広がってきた。あっという間に雲が去り、360度の展望。感動のあまり寒さも忘れ、山頂に1時間も滞在してしまった。

 下りは山頂から滑り出す。ほとんど傾斜の無い台地の部分も、アイスバーン状でスピードが出る。谷に入ってからは、転倒したら即滑落だ。横滑りを交えた斜滑降で慎重に高度を落とす。標高700mで傾斜、雪ともに緩み、滑降を楽しみながら往路を戻る。

2月 7日(水) ピヤシリ山

 名寄はサンピラーが見られる所として知られている。条件が限られるので、行ってすぐに見られるわけでもないが、とりあえず近くのピヤシリ山へ登ってみよう。

 ピヤシリスキー場からアプローチ。ピヤシリ川に沿う林道は、途中で分岐するが、真っ直ぐピヤシリ山へ向う谷を進む。やがて林道は無くなるが、そのまま谷の中を行く。標高390mで二俣となり、中間尾根に取り付く。最初は急だが、すぐ傾斜は緩くなる。途中、木を飾る樹氷がとても美しい。やがて遠回りしてきた林道に再び出会う。この林道は、山頂直下まで延びているので、そのまま林道を辿る。エビノシッポに覆われた小屋が見えてきたら、もう山頂。ほとんど平らな頂に、大きな標識が立っていた。

 小屋に立ち寄ってみると、良く管理されているようで、中はとても快適だ。少々休憩をとる。

 下りは、傾斜がほとんど無いので、往きのトレースに乗らないと滑らないほど。それでも、標高700m辺りでトレースからはずれ、更に林道を行く。緩い鞍部で林道を離れ、692mピークは北側を巻き、そのまま西へ延びる尾根へ乗る。標高330m辺りで尾根を北側へはずし、スキー場へ戻る。

 豪快な滑降はできないけれど、快適な山頂の小屋に泊まって、周辺をのんびりと散策してみるのもいいかなと思う。

2月10日(土) 富良野岳ジャイアント尾根

 今日は天候に恵まれそうだ。目標はベベルイ川源頭部の滑降だが、富良野岳も目指してみよう。


 ジャイアント尾根は人気のある所なので、たいていはトレースが残されている。今回もトレースに従いアプローチ。しかし、登る人それぞれの思惑で分岐が多い。自分が行きたい所を選ぶ判断は必要だ。樹林帯を抜けると視界が良くなり、展望も得られる。雪もクラスト気味になってくるので、滑降が目的なら、この辺りで適当な斜面に滑り込むことになるだろうか。さらに尾根を登り続けて、標高1650mを越えると、台地状となる。正面にどっしりとした富良野岳と対峙する。台地から山頂へ延びる尾根へ取り付いてみたが、凍った岩場が出てきて、先へ進むには、アイゼン、ピッケルが必要だ。もともとスキー滑降が目的なので、今回はあっさりと登頂を諦める。しかし、装備を整え、ここを登るのも面白そう。

 天気が良いので、台地で充分に休み、展望を楽しんでから滑降に移る。ベベルイ川源頭部まで行き谷を覗くと、既に何人か滑り込んでいた。雪は安定しているようだ。標高差300mほど、一気に爽快な滑降を楽しんだ。谷が狭くなるので、一旦左へトラバース。平坦な斜面を再び200m滑り降りる。ここから、北尾根を回りこんで三峰山沢へでて出発地点へ戻る。