立山三山
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【期 日】 |
2007年9月21日〜23日 |
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【メンバー】 |
中村お 中村み |
去年の夏に立山を訪れてからその雄大な景色が気に入り、今年は紅葉の季節に宿をとった。アルペンルート利用、個室、風呂、生ビール付の山小屋と費用はかかるが、子供が小さい(2歳9か月)からと開き直って楽しむ贅沢山行だ。(そのうちテントを担ぐのが億劫になりそうな予感も…)
連休の混雑にグズる子供の姿が脳裏をよぎり、ひと月前に宿の予約1日繰り上げ有休を取って出発。早朝、高速の深夜割引に合わせて出発し4時間弱で扇沢着。扇沢の無料駐車場はまだポチポチ空いていて人影もまばら。
ネットで予め購入した予約往復券を引き換え、トロリーバスに乗車。「バス〜」「トンネル〜」と子供も大喜び。ダムから見える青空にくっきりと刻まれた立山連峰の稜線に親もワクワク。
ところがケーブルからロープウェイに乗り継いだあたりから、早起きがたたってご機嫌斜め。ダムを見下ろす展望台から、かつて歩いた五竜から連なる後立山連峰、そして遥か水晶岳へと連なっているというのに、感慨に浸る間もなく泣き叫ぶの子を背負って右往左往。
再びトロリーバスに乗って室堂に到着すると、迫力の雄姿が今回もお出迎え。子供の機嫌も直って、また来たよ〜と再び気力が充実してくる。
今回は立山室堂山荘に宿泊。眼前の立山連峰が部屋からだけでなく(一部の部屋のみだが)、風呂からも見えるというのがすごい。またターミナルから近く、整備された遊歩道で小さな子供も周辺を散策できるのが利点だ。
平日は空いていて早めにチェックインできたのでお昼寝させる。
その後、室堂山から浄土山まで散策に行くと、あいにく少しガスが出てしまったが、五色が原や薬師岳、後方には剱岳の剱先が顔を覗かせていた。
子供はというと、宿の若いお姉さんたちに可愛がってもらい、バナナやゼリーをこっそりもらって大喜び。しかし面と向かって「ありがとう」もまともに言えない恥ずかしがり屋で、「オネエサン、シュキ(好き)」と部屋に帰ってこっそり小声で打ち明けていた。
翌朝、大の字に寝ている二人を残して、6時の朝食まで玉殿岩屋へ散策。立山開山のいわれのある祠だ。最近体力、気力ともお疲れ気味の体にパワーを頂くべく熱心にお祈りする。
7時半に雄山に向けて出発。石畳を横切る側溝を渡るのが気に入ってしばらく歩くが、途中で草花をいじったり、石を拾ったりと子供の興味は止められない。傾斜が増してきたところで背負子に入れる。今回14kgの荷を担ぐのは腰の調子が戻ったパパ。
一ノ越山荘が見えてきたところでMさんパーティより室堂に着いたとの連絡があり。これから剱を越えて池の平まで抜ける彼らをちょっぴり羨ましく思う。ドラム缶風呂は今でも健在なのだろうか。
一ノ越で休憩していると続々と団体が続々到着。ガレた岩場の急登を渋滞に巻き込まれないうちに出発。「いいわねぇ楽して、お父さん大変だね」と声をかけられるが、歩けないところに連れてこられている子供としては楽しいのか、楽しくないのか。でも一緒にあちこちお出かけするのが好きなことは間違いない。
雄山の山頂に着いてお祓いを受ける。畳6畳分くらいの祠のあるピークは岩の突端だったところを、石を積み上げて建てたもの。足元の丸い石は、河原から拾って色々願い事を書いたものを参拝者が奉納していったものだそうだ。願い事がたくさんある私も一つ用意してくればよかったな。
御祈祷後、宿で作ってもらった弁当を社務所前で広げていると、またもや子供が逆の方向へ行きたいと大騒ぎ。そそくさと背負子に乗せて大汝山に向かうとすぐに背中に頭をもたげて眠ってしまった。やれやれ。
このころにはガスがかかって展望なし。去年も登った大汝山で頭の垂れたままの子供と写真を撮って今回は先へ進むべく真砂岳へ。岩場の続く富士ノ折立のトラバースを越えると、右手にフカヒレ状の雪渓が残る内蔵助カールが姿を現した。ここからは景色ががらりと変わり砂礫の稜線歩きだ。
大走りを左手にやり過ごした先のピークで休憩していると、ビスケットを食べた子供が「ウンチ〜」。まだオムツが取れていないのが幸か不幸か。ここから真砂岳まではゆるやかな稜線。子供を降ろすと、パパの木の杖を真似してつきながら喜んで山頂まで歩いて行った。
真砂岳から戻って大走り下山を予定していたが、時間がありそうなので剱岳見たさに別山へひと登り。本峰はガスに掛かっていたが、源次郎尾根と八峰が見える。北峰往復はパスして別山乗越へ向かう途中、本峰がひょっこり顔を出した。
途中の小ピークで2009年ロードショー予定の映画「剱岳」の撮影隊と遭遇。明治時代、地図上の空白地帯だった剣岳周辺を調査した軍人と案内人の物語だそうだ。その撮影で、大きな荷物を担いでいた人が、有名な俳優だったかもしれないとわかったのは、後に宿のポスターを見てから。ああ、通り過ぎた時、にこりと笑った顔を見て全く気がつかなかったとは。
最後の休憩所、剱御前小舎では子供がトイレに興味津々。しかしまだ子供用でしか出来ないため、いつもと違う便器に「イカナイ」。しかも和式はまだ馴染めないようだ。
雷鳥坂を下り、宴会場と化したテントが花咲く雷鳥沢キャンプ場を横目で見ながら、小一時間かけて山荘に戻る。
この最後の室堂への階段が結構キツく、地獄谷の強烈な硫黄臭で気分も悪い。みくりが池に辿り着く頃には、周囲はすっかりガスに包まれていた。
また眠ってしまった子供の足が、スタンドのフレームと同じくらいあるのを見て、この背負子に入らなくなった時、自分でしっかり歩けるようになる小学校3,4年生くらいまでは、しばらくこういう山歩きは無理かなという思いが頭をよぎる。
その夜、生ビールを一気飲みしてもなかなか眠れなかったのは、前日の24人から一気に150人へと増えた宿泊客の喧騒だけでなく、久しぶりの本格的な歩きで筋肉が興奮していたためのようだ。いや、実は富士山、白山と並ぶ三大霊山の何やら不思議なパワーのせいか。
ところで最大の目的だった紅葉、宿の人によると例年は今頃には色づき、9月末にピークを迎えるそうだが、今年は温暖化の影響なのか2週間ほど遅れているという。そういえばまだナナカマドの葉っぱも青々としていた。
(中村み記)