温泉をつないで
北海道 ニセコ連峰縦走
ニセコアンヌプリから目国内岳へ
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【期 日】 |
2002年3月28日(木)〜4月1日(月) |
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【メンバー】 |
yuki |
ここ数年、毎年冬になると北海道のニセコへ行っている。温泉などをベースにして、ゲレンデでスキーをしたり、日帰りでニセコの峰々を一つ一つ登ったり。ニセコアンヌプリ、ニトヌプリ、チセヌプリ、目国内岳……。でも、やはりいつかは縦走もしてみたいと思っていた。
単に、アンヌプリから目国内岳までをスキーで縦走するだけなら、条件さえ良ければ1泊2日でもぬけられる。しかし、私には単に縦走するだけでなく、是非実現したい構想があった。テント泊で、それも五色、湯本、新見と、麓の温泉に入りながらという……。当然、日程は最低でも3泊4日は必要になる。予備日、アプローチを入れれば、5日から6日の日程で臨みたい。こうなると、なかなか実行は難しいが、今回ようやく機会を得た。
3月28日(ニセコアンヌプリ〜五色温泉)
家を朝一番のバスで出て、飛行機で千歳空港へ。そこからスキー場直行バスに乗り継ぎ、ひらふスキー場に14時前に着く。さっそく更衣室で着替え、準備を済ませて、ゲレンデに立った時は、15時近かった。でも、今日の行程は五色温泉まで。アンヌプリへの登りも、おおかたスキー場のリフトで上がってしまうので、行程は短い。
問題は荷物。単独行の上、予備日を含めて6日分の食料にテント、着替えなどもデポするわけにはいかず、ザックがとても重たい。リフトを乗り継ぐ間に滑るゲレンデはアイスバーン状態で、バランスをとるだけで精一杯。縦走を完結できないのではという不安が脳裏をかすめる。が、ここまで来た以上、自分を信じよう。
最上部のリフトからアンヌプリ山頂までは、標高差で100m余り。ここは、ステップがしっかり刻まれているので、スキーは担いで登る。南峰との鞍部にでれば、逆光に輝く白銀の峰々に包まれた今日の目的地、五色温泉が望める。そして、その向こうには、これから縦走する白い山々が、幾重にも重なり連なって……。
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| ニセコアンヌプリ山頂付近から五色温泉とニセコ連峰の山々を望む |
山頂でスキーを履き、北斜面へ滑り込む。日が傾き、気温が下がり始めていた。雪の氷化を心配したが、これは思い過ごし。まあまあ滑りやすい。しかし重荷のため、思い切って滑り込めないのが悩ましい。転倒すると起き上がりに疲れるので、慎重にターンを繰り返し、高度を下げていく。300m程標高を落としたところで、西側へ回り込み、そのまま五色温泉まで滑っていった。
幕場適地を探していると、どこからとも無くキタキツネが現れた。写真を撮ろうと近づくと、一定の距離を置いて逃げる。野生だから人間には近づかないと思っていたら、甘かった。天幕場を定め、ザックから装備を出し、整地してからテントを設営し、装備をテント内へ収容しようとしたら、食料袋が一つ足りない。周辺を徹底して探したが、やはり無い! 整地作業に没頭する隙を衝かれ、キツネに盗られたか。余分に食料を持っていなかったら、計画を断念しなければならないところだった。用心しなければ……。
食事を済ませた後は、スキーの他もう一つの楽しみ、五色温泉へ入りますか。
3月29日(ニトヌプリ〜チセヌプリ〜湯本温泉)
昨晩からチラついていた雪はあがり、今朝は高曇り、まずまずの天気か。次の目的地、湯本温泉を目指して出発しよう。五色温泉からニトヌプリの間は、何度か通っているので、地形やルートはだいたい覚えている。
まず北西方向へ尾根を登り、湿地となる雪原へでる。北に聳えるイワオヌプリ、今回は心残りだが割愛。更にそのまま丘状の尾根を越えると最低鞍部。次にピークを一つ越えれば、ニトヌプリの双耳峰が見えてくる。北側のピークへ登る。ここは、初めて来た時、ニセコ連峰縦走への思いを抱いた所だ。今それを実現しつつある……。
チセヌプリとの鞍部までは250mほどの下り。雪は適度に緩み、また重荷に慣れてきたこともあり、滑降が楽しめた。鞍部には、雪に埋もれた道路標識があり、車道が通っていることが分かる。この頃になると、日が差し始め、暑いくらいの陽気だ。
チセヌプリは東面が雪庇状なので、北側から回り込んで頂上に立つ。ここまで来れば、今日はもう登りが無い。南斜面に大きく蛇行したシュプールを残しながら、チセヌプリスキー場へ滑り込む。ゲレンデ内を滑り降りて、今日の行程は終わった。駐車場脇の高台にテントを設営。夜は湯本温泉雪秩父の露天風呂へ入る。浴槽が幾つもあって、それを巡っていると、つい長湯になってしまう。
3月30日(停滞)
夜、低気圧の通過で天候が崩れた。今朝は快方へ向かっており、晴れ間も見られるようになったが、とにかく風が強い。シャクナゲ岳辺りは、更に強い風が吹いていることだろう。日程には余裕があり、スキー場もあるので、無理せず今日は停滞とし、スキー場で遊ぶことにした。
チセヌプリスキー場は、リフト1本だけの小さなスキー場だが、圧雪していない林間を滑ることができて、なかなか楽しめる。1日中めいっぱい滑り込み、最後はもうヘトヘト。そして、夜は再び雪秩父の露天風呂へ。
3月31日(シャクナゲ岳〜白樺岳〜新見温泉)
今日は風も収まり、天気も晴れて申し分ない。さて縦走を続けよう。チセヌプリスキー場のリフトに一番で乗り込み出発だ。まずはシャクナゲ岳との鞍部を目指す。チセヌプリ南西側の台地を北へ進み、チセヌプリの麓へ達したら、西へ向きを変える。
アンヌプリを発って以後、ここまでは山の中で人に出会わなかったが、今日は日曜日なので所々に人の姿を見かける。皆、人の後を追うことも無く、各自の思うまま、あちらこちらにパラパラと散らばって。シャクナゲ岳方面には先行者が1人。1074mピークの手前で追いつく。
シャクナゲ岳の麓にザックをデポし、ピークを往復する。頂きで休んでいたら、どこからかエンジンの音が……。目を凝らして見ると、さっき歩いていたチセヌプリの麓辺りをスノーモービルが走っている。その面白さは私も理解している。しかし、ニセコ一帯は、確か走行を禁止されているはずだが。こちらへ来る前に先へ進もう。ザックのデポ地までは、標高差で80m程。僅かだが、空荷で滑る快適さを味わう。
シャクナゲ沼の北側で尾根を越えてから、白樺岳との鞍部までは広い緩斜面の下りで、のんびりと滑っていく。登り返す白樺岳の山頂には、大勢の人影が見える。登り着いてみると、皆テレマーカーだった。入れ違いに滑り始めたが、北海道の人たちは皆すべりが上手い。再び1人だけとなり、静かな山頂で大休止した。
残すは新見温泉までの下りだけ。ここは、3ヶ月ほど前に、新見温泉から登ろうとしたが、深いラッセルになり、あっさりと退却したところだ。今日は適度に緩んだ締まり雪で、とても滑り易い。時間には余裕があるので、周囲の情景を楽しみながら、休み休み滑り降りた。
新見温泉は2軒あり、いつも新見温泉ホテルへ入っていたので、今回は新見本館へ行ってみた。こちらは内湯が2ヶ所あり、一方には広い露天風呂が付いている。
4月 1日(目国内岳)
いよいよ最終日となった。今日も天気は良い。まずは目国内岳へ登るのだが、いつもと違うルートで行こう。林道を568m屈曲点まで行くのは同じ。今までは、ここから西の尾根へ取り付いていた。往復なら、この方が滑りを楽しめるからだ。今回は戻ってこないので、できるだけ主稜線の近くへと北へ向かう。
新見峠までは行かずに、標高700m辺りで沢を渡り、前目国内岳の南面をトラバースして、西側の鞍部を目指す。鞍部で尾根に乗ったら、あとは目国内岳まで尾根に沿って南側を巻きぎみに登る。後を振り返れば、近くは昨日越えた白樺岳から、遠くは出発点のニセコアンヌプリまで、縦走してきた峰々が全て見渡せる。はるばる来たものだ。
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| 目国内岳山頂からニセコ連峰を望む |
何回か訪れて見慣れた目国内岳山頂の岩塊に登り、休憩。縦走最後の山頂でのひと時、思い出は時間をかけて心に刻み込む。
そろそろ出発しますか。目国内岳から北へ向かって200mほど滑り降りると、ほぼ平坦になる。ここから西へ向かえば、雷電山を越えて日本海へ……。いつか行ってみたいと、また新たなるルートに思いを馳せる。岩内岳の山頂付近は雪が無いので、登らずに東側を巻くことにした。シールは着けずに、等高度を保ちながらスキーを滑らせて進む。
この尾根を回り込めば……、期待を込めて行くと、眼下には青々とした日本海、そして岩内の町が展開していた。ああ、この縦走も、もうすぐ終りだ。思い返せば、この5日間、長かったような短かったような……。
すぐ下に、いわないスキー場が見える。直下の斜面にはハイマツが出ていたので、東へ迂回してゲレンデ最上部へ滑り込む。まだ雪は充分残っていたが、スキー場は既に今期の営業を終了していた。静かなスキー場の中を1人、正面に海を眺めつつ、縦走の余韻を味わいながら、ゆっくりと滑り降りていった。
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【行 程】
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3/28 |
ひらふスキー場(15:20)−アンヌプリ(15:45〜15:55)−五色温泉(16:40) |
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3/29 |
五色温泉(8:50)−ニトヌプリ(10:20〜10:40)−鞍部(10:55〜11:20)−チセヌプリ(12:30〜12:50)−湯本温泉(13:50) |
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3/30 |
停滞 |
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3/31 |
チセヌプリスキー場(9:10)−シャクナゲ岳基部(シャクナゲ岳往復)(10:00〜11:20)−シャクナゲ岳北のピーク(11:35〜12:30)−白樺岳(13:15〜13:50)−新見温泉(14:25) |
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4/ 1 |
新見温泉(6:55)−目国内岳(9:55〜10:30)−岩内スキー場上(11:35〜12:05)−岩内スキー場下(12:25) |
【1/2.5万地図】 ニセコアンヌプリ、チセヌプリ、岩内


